「また耳が痛い……もうダメだ」
水深2メートルで動けなくなった私は、仲間が深く潜っていくのを見上げながら、ひとりで浮上しました。
スキンダイビングを始めて数週間。毎回同じ場所で止まってしまう。耳が割れるように痛くなる。でも原因もわからない。「自分には向いていないのかも」と思い始めていました。
そんな私が、5つの方法を試し、数週間かけてたどり着いた「自分だけの耳抜き」の話をします。
同じ悩みを抱えるあなたに、少しでも届けば嬉しいです。
耳抜きができないと、海が怖くなる
耳抜きができないと起きること——それは「痛み」だけじゃありません。
水深が増すにつれ、鼓膜に水圧がかかります。耳管を通じて中耳の圧力を外と均等にできないと、鼓膜が内側から押しつぶされるような感覚が走ります。これが「耳抜きができていない」状態です。
最悪の場合、鼓膜損傷につながることも。でもそれより辛いのが、「海が怖くなること」でした。
潜るたびに痛みを予感する。仲間に遅れを取る。せっかくの海なのに、全然楽しめない。
あなたも同じ経験をしていませんか?
5つの耳抜き方法を、全部試した
ネットで調べると出てくる「耳抜きの方法」は大きく5つ。私はこれを全部、実際に海で試しました。
① バルサルバ法(最もポピュラー)
鼻をつまみ、口を閉じたまま鼻から息を出すように圧をかける方法。教科書に載っている「スタンダード」です。
ただ、強くやりすぎると逆効果。鼓膜に余計な圧がかかって悪化することもあります。「ふわっと、やさしく」がコツです。
② フレンツェル法(上級者向け)
喉の奥で「K」の音を出すイメージで圧をかける方法。習得できれば水深10m以上でも有効な強力な技。ただし感覚をつかむまでに時間がかかりました。
③ トインビー法(上昇時に使える)
鼻をつまんだままゴクリと唾を飲み込む。潜降時より浮上時に向いているとされる方法。
④ 顎を動かす(シンプルだけど意外と効く)
口を大きく開けたり、顎を前後左右に動かすことで耳管が開きます。「あ」と大きく口を開けるイメージです。
⑤ ボランタリー(意識的に耳管を開く)
意識だけで耳管を開く究極の方法。これができれば鼻をつままなくていい。でも私にはまだできません(笑)
私が見つけた「自分だけの最適解」
5つ全部試して気づいたことがあります。
「方法の組み合わせ」と「タイミング」で全然変わる、ということ。
私に最も合っていたのは、こんな手順です。
① 両鼻をつまみ、やさしく内圧をかける
② 顔を左右に傾け、抜けない方の耳を上にする
③ その状態で顎を上下にゆっくり動かす
これで「スッ」と空気が抜ける感覚がありました。
バルサルバ法だけでは抜けなかった耳が、顎の動きを加えるだけで抜けるようになった。あのときの感動は今でも覚えています。
実は「タイミング」が一番大事だった
方法より大切なことを最後に伝えます。
耳抜きは、痛くなってからでは遅い。
耳に違和感を覚えた時点で、すでに鼓膜には圧力がかかっています。痛みを感じてから耳抜きしようとしても、なかなか抜けません。
私が実践しているのは「水深1〜2メートルごとに1回」のこまめな耳抜きです。潜降速度も毎秒1メートルを超えないようにゆっくり潜る。
「まだ大丈夫」と思ったとき、すでに手遅れになっていることがある——これを体で覚えてから、耳の痛みはほぼなくなりました。
耳抜きをもっとラクにするグッズ
耳抜きで一番困るのが「鼻をうまくつまめない」こと。特にマスクをしていると指が入りにくい。
そこで役立つのが「ノーズクリップ付きのマスク」です。マスク越しでも鼻をつまめる設計になっているので、耳抜きの動作に集中できます。私も最初の頃はこれに助けられました。
まとめ:焦らず、浅場で、こまめに
耳抜きに「絶対的な正解」はありません。
私が実践しているのは「鼻をつまんで内圧をかけながら顔を傾け、抜けない耳を上にして顎を動かす」こと。そして「痛みを感じる前に、水深1〜2メートルごとにこまめに耳抜きをする」ことです。
最初は水深2メートルで止まっていた私が、今では余裕を持って潜れるようになりました。
焦らず、浅場で、繰り返し練習してみてください。きっとあなたにも「自分だけの耳抜き」が見つかるはずです。
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